« Report of NY's Conference(1) | トップページ | Report of NY's Conference(3) »

Report of NY's Conference(2)

教修会の初日は早朝行事から参加するため、参加者は5時50分までにロビーへ集合。NY郊外の自然に囲まれたステキなホテルにただ寝るだけというのは、何とももったいない気がしますが、教修会に来ているのですから、致し方ありません。

午前中の行事は、イスラームの基本的な考え方を学ぶということで、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の教授で、イスラームの法学者、カリード・アブ・エルファドル博士(Khaled Abou El Fadl)の講演でした。同教授についての詳しい説明は、谷口雅宣先生のウェブサイト(http://www.masanobutaniguchi.com/)をご覧ください。私もこのサイトを拝読して初めて、アメリカ国内はもとより、イスラームの世界でもとても権威のある方であることを知りました。

谷口雅宣先生も書いておられますが、脳腫瘍という症状を持ちながら、2、3人に支えられて壇上に立ちながら、渾身の力を込めて、話してくださったその姿勢は、感動以外の何ものでもあり得ませんでした。私が印象に残った内容では、イスラームはテロリストの宗教ではない、神は愛であり、神の属性である正義、慈悲、深い思いやり、善をこの世にあらわしていくことこそ、人間の生きる価値である、『コーラン』で説かれてい「ジハード」は戦争を意味しているのではない、人間の「エゴ」との戦いである、このような内容です。

今回のテキストだった『The Great Theft』は谷口雅宣先生がブログで何度か紹介されていた本であり、ぜひ、読みたいと思ったので、まだ日本にいるときにペーパーバックが出たらすぐに手に入るよう、予約をしておいた本でした。用語が難しいながらとても引きつけられる本で、何とか教修会前に読み終えることが出来たのは幸いでした。

同教授はムスリムを「puritan」(厳格な信者)と「moderate」(穏健な信者)に分けておられ、両者は神の絶対を信じ、神の愛や慈悲を信じるところは同じでも、「puritan」は法において完全に神が現れていることを信じ、法に従わない場合は命を奪っても差し支えないという論理を紹介されています。たとえば、2002年にムハンマドの生誕地メッカで起きた、14人の少女が焼き殺された例を紹介しておられます。これらの少女は、顔を隠すベールを適切にしていなかったとか、体を包むマントのようなものを身につけていなかったという理由でサウジの宗教警察が、火事になっている学校に鍵を掛けて少女たちが逃げられないようにしたほか、消防士が入ることも妨害したと言います。この背景にある「puritan」の世界(人間)観によると、法すなわち神であるから、人の命よりも尊ぶべきであり、女性は男性に性欲を起こさせる危険性があるから消防士を入れることすら許されないというのです。あまりに過激な考え方ですが、神の名の元に殺人が行われる理由が分かるような気がします。

ところが同じ『コーラン』を読んでいながら、ムスリムの大多数を占める「moderate」は神は愛であり、神の目から見たら性差も、人種も、階級も関係なく、すべて平等だということが協調されていると、同教授は述べておられます。そして、暴力、憎しみ、報復、恨み、醜さと言った、地球(この世)を破壊する行為は、人々の神に対する責任を果たしていないことになる、地球(この世)は神様の信頼を得て人々に与えられたものであり、神の性質を現していくことが人々の使命である、と同教授は説いています。

この本を読んでいて不思議に引きつけられるのはなぜだろう、と思ったのですが、それはエルファドル教授の強烈な使命感を感じるからなのだと思います。本当のイスラームは、こんなに平和な愛に満ちた宗教なのだ、「puritan」が間違って宣伝しているだけであり、それよりも声を大にして本当のイスラームを知らしめなければならない、そうしなければ神を、イスラームを、人類にダメージを与えてしまう――と。そしてその説のほとんどすべてが『コーラン』に基づく、また学者らしく、歴史的な事実に基づく事実の積み重ね、そして、謙虚な態度に信仰者としての姿勢を感じるのです。そして、穏健派である「moderate」は今こそ、「ジハード」を起こすべきである、それは戦争では無論なく、本当のイスラームを蘇らせる、質の高い、平和なジハード(peaceful jihad)である。

そして、非ムスリムに呼びかけています。イスラームを攻撃する本を買わないこと。なぜなら、そういう本はほとんどがアラビア語に翻訳され、過激派に西洋を攻撃する口実を与えることになるから、と言います。私はこの本を読んでとても勇気づけられました。そして、イスラームに一層の敬意を感じるようになりました。『コーラン』勉強すべし、です。

同教授の講演は、私の理解力やその他の仕事をしながら拝聴したため、残念ながら全部を聞き、理解することが出来ませんでしたが、本と同様、教授の切々と語るご姿勢に本当に感動しました。教授の入場と、講演の終了時は、全員が起立し、拍手の嵐が何分も続きました。そして、講演ですべてのエネルギーを使い果たし、車いすに座られた教授のもとへ副総裁先生が小走りで歩み寄り、手を取って感謝の言葉を述べておられたのにも、感動でした。ちなみに、教授は今回の講演は「講演料を頂くわけにはいかない」と言われ、お帰りになる際には、「英語で出版されている生長の家の書籍を全部買いたい」とおっしゃったそうです。そして見送られた方によると、来られたときよりもお元気でNYからロサンゼルスへお帰りになったとのことでした。

-TA

写真は左から、ハワイからの参加者の皆さん、メイン会場、会場の外の美しい自然

Img_0177
Img_0157_2
Img_0169_3


|

« Report of NY's Conference(1) | トップページ | Report of NY's Conference(3) »

生長の家のこと」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« Report of NY's Conference(1) | トップページ | Report of NY's Conference(3) »