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バイオ燃料の是非

 少し前のことになりますが、今日使われている「バイオ燃料」は結果として地球環境によってよくないとする研究結果が、科学雑誌『Science』に2人の研究者によって発表されたことが各報道機関から発表になりました。報道された記事によると、バイオ燃料を製造する過程で発生する汚染物質をも考慮に入れると、化石燃料を燃やすよりも温暖化効果が高いというのです。

 私はAP通信から配信された記事でこのことを知り、『International Herald Tribune』の2月7日付の「Studies conclude that biofuels are not so green(研究によるとバイオ燃料は決して地球環境にとって好ましくないと結論された)」と題した記事を読みました。

 この記事によると、今回の研究はこれまでで初めて、バイオ燃料を得るために農地に転用された土地がどれぐらい温暖化を促進するかについて地球規模で研究されたものだそうです。そして、熱帯雨林あるいは南アメリカの草原とを問わず、自然のエコシステムは二酸化炭素を吸収してくれるスポンジの役割を果たしてくれるのだから、エコシステムを破壊すればCO2の排出が促進される――と書いてあります。

 環境と経済に関する研究についての執筆責任者であるプリンストン大学のTimothy Searchinger教授によると、これまでは土地の転用に伴って排出された二酸化炭素は含まれていなかった、というのです。例えば、草原を農地にしてしまうと、そのままにしておいたときに比べて93倍も温暖化促進ガスを排出するのだそうです。

 これは、生長の家副総裁・谷口雅宣先生のご著書『足もとから平和を』の16~19頁で紹介されている研究結果である、「自然環境を維持していくいことと、そこを開発して農地や商用地に転換することの地球規模での費用対効果の割合は、「少なくとも100対1」でであることが分かったという」に見事に一致します。

 このご本には、自然資本の考え方が分かりやすく説明されていて、現在の経済活動においては自然そのものの価値が認められておらず、含まれていないのであるから、ムダが多くでてしまう。もっと自然そのものの価値を認めて、『「本来神の造り給うた世界には、ムダなものは一つもないし、悪いものも一つもないという大調和の世界の“写し”として現実生活を見る」(同書46頁)ことがこれから大切になってくること等が説かれています。

 今回の研究結果に対して、ワシントンにあるRenewable Fuels Association(再生可能燃料協会)の責任者であるBob Dineen氏は、「世界のエネルギー需要が高まっており、この需要の高まりに見合う現実的な代替策として何が必要かを考えなければならない。バイオ燃料はエネルギー安全保障や環境保全の危機に対して対処できる唯一の方法だ」と反論しています。

 しかし私はこの考え方は、環境のことを度外視した、「今さえよければ、自分さえ良ければ」という場当たり的な、後生の世代のことも、また地上で苦しんでいる仲間のことも考えない、自己中心的な考え方だと思うのです。

 もちろんバイオ燃料も原料によってはCO2を削減することも見逃してはいけませんが、現在生産されている多くは食物と競合し、そして結果として多くのCO2を出すのですから、アメリカのようにバイオ燃料に頼ったエネルギー政策は即刻あらため、もっとクリーンなエネルギーの開発・普及に全力を尽くすべし、との警鐘だと言えるでしょう。

 今回の記事を読んだ私が学んだことは、全体観を見ることが大切、ということでした。一部のみ、短期的に見れば良いように思うことでも、もっと広い立場から見ると、結論が違うこともある。(続く)

-TA

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