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適正な価格

 谷口雅宣先生がご自身のブログ『小閑雑感』(1月8日) http://www.masanobutaniguchi.com/で説明されていた、アメリカの著名な環境活動家、レスターブラウン氏の最新刊書(『Plan B 3.0: Mobilizing to Save Civilization』(プランB第3版--文明を救うための総動員)に、自然資本の考えに関する分かり安い説明とサンプルが載っていました。

 例えば同書の6頁には、石炭を燃料として使う場合、石炭の価格には、石炭を燃やすことによって発生する大気汚染、酸性雨、破壊されたエコシステム、そして気候変動を緩和するためのコストが全く含まれていないのであり、これらのコストは石炭を掘り当てて、輸送等に要するコストを上回っている。その結果、多くの物やサービスのコストを過小評価し、経済的なねじれ(価格が正当に表示されていないこと)を生じさせている、と書かれています。

 価格を決定する要素――消費者、経営の企画をする人、政策決定者、あるいは銀行の投資家はマーケットに示された情報に依存して色々な決断をするのだから、マーケットはわれわれが買おうとする商品に適正な価格をつけなければいけない、というのです。以下、引用します。

  ~~~~~~~(引用始め)~~~~~~~~~
 市場価格が適切でない例としてあげるのにもっとも相応しいのは、2007年半ば頃のアメリカにおけるガソリンの店頭価格だ。1ガロン(3,785リットル)3ドル。(阿部注:1リットル約87円)。しかしこの価格には、石油を発掘し、地表に吸い上げ、それをガソリンに精製し、ガソリンスタンドまで運ぶためにかかった費用しか考慮されていない。(石油減耗控除のような)石油会社に支払われる租税補助金、政治的に不安定な中東の石油にアクセスする際に必要となる軍事費用、汚染された大気による呼吸疾患を治療する医療費や、気候変動に伴うコストを見過ごしている。技術評価に関する国際機関による研究結果によれば、これらのコストはアメリカにおいては、1ガロンあたり12ドル(1リットルあたり3.17ドル、約350円)という。ガソリンそのものの価格3ドルにこの価格を足せば、車やバイクを運転する人は1ガロンあたり15ドル(阿部注、1リットルあたり約440円)支払うことになる。実際、ガソリンを燃やせばとても高くつくが、市場は安い値段をつけ、経済の構造をはなはだしくゆがめてしまっているのである。(同書、7頁、拙訳)
  ~~~~~~~(引用終り)~~~~~~~~~

 私の住んでいるハワイには電車が走っていないのと、バスの便がよくない田舎に住んでいるので、家族で2台の車を使って生活していますから、この問題は重大です。今まで以上に出来る限りガソリンを節約する方法を考えないといけません。

 購入する物がどこから来て、どのように生産されたかを注意深く考えて買う消費者のことを「自覚的消費者」と呼ぶ、と教わったことがあります。色々な情報が交錯する中で、正しい情報、信頼できる情報を得て、正しいことを実践していく実現力がますます求められる時代なのだと思います。

-TA

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