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最後の授業

 先日、Amazon.comから送られてきたお勧め図書で買おうかなぁと思っていた本を偶然にもカリフォルニアにお住まいの先輩marioさんから勧められたこともあり、"The Last Lecture" を読みました。実は、この本の内容があまりに重すぎると思い(重量ではありません…)、後から読もうと思ったのですが、なぜかどうしても読みたくなり、読み始めました。

 内容はアメリカのある大学のコンピュータサイエンスの、40代半ばというまだ若い教授が末期癌の宣告を受け、大学側からの依頼で「最後の授業」をした、というもの。教授の名は ランディ・パウシュ(Randy Pausche)と言います。

 パウシュ教授は2006年8月、転移性の膵臓癌と診断されましたが、精力的に治療を受け、癌を克服しようと努力を重ねます。翌年、これまで教壇に立っていたカーネギーメロン大学から「最後の授業」をして欲しいという依頼を受けます。その依頼を一度は受けた同教授でしたが、授業の約1か月前、癌は肝臓や脾臓にまで転移をしてしまい、余命3か月から半年との宣告を受けます。

 授業まであと1か月。残された命は3か月から半年。当時5歳、2歳、1歳の子供と奥さんの5人家族の同教授は授業を受けようか悩みます。残された期間、精一杯子ども達と思い出を作りたい、これから先どう生きていくのか夫婦で話し合い、生きた証を残すためにやりたいことは山ほどある、授業を行っている暇はない――このような思いが押し寄せる半面、最後の大仕事を引き受けたいという気持ちの狭間で悩みます。そして彼が出した結論は、授業を引き受けることでした。

 授業のタイトルは、『子供のころからの夢を本当に実現するために』("Really Achieving Your Childhood Dreams")。もちろん学生に講義をしているのですし、学生のためになる話ですが、実は、一番の目的はまだ幼い子供たちに向けたメッセージだったのです。人生の喜び、夢を描くことの素晴らしさとご自身がそれを実現するために何をしてきたのか、ご両親のこと、愛を生きること、人を尊重すること、それらを卓越した話術で、ユーモアも交えながら、軽快なリズムで紹介されていきます。

 この本によると、授業の前には化学療法の影響で体調がすぐれず、吐き気、激しい腹痛、下痢に襲われたそうです。しかしそれにもかかわらず、280枚以上あったパワーポイントのスライドをカッとしたり、構成を変えたり、または考え直したり、準備は前日の深夜にまで及び、翌朝起きたのは朝5時。午後4時の授業開始直前まで準備に準備を重ねられたようです。

 授業のときのパウシュ教授はとても病人とは思えない、いたって健康そうな姿で登場されています。この授業の様子はYoutubeにのり600万人以上が視聴、またABCニュースや、人気番組でも取り上げられ、それらも含めると2500万人以上が視聴したのだそうです。なおプロの翻訳家による日本語字幕版も出ていますので、興味のある方は下記のアドレスからどうぞ。

 http://jp.youtube.com/watch?v=nrFMRuB2lbA

 この本には授業の内容が主に書かれていますが、私が感動したのは最後に述べられている子供さん、奥さんへのメッセージでした。家族愛、人間愛、そして人としての尊厳に貫かれていて、涙が溢れてきました。

 なお、日本語版は6月19日に発売だそうです。タイトルは、『最後の授業 ぼくの命があるうちに』。

 いのちそのものがどんなに有り難いか、そしてそれを失うことはどういうことなのかを深く考えさせられました。

 しかし、惜しむらくは、彼が生長の家の教えを知り、永遠生き通しのいのちのハッキリと自覚しておられたら、ということです。私は彼の行動にけちを付ける気持ちは微塵もありませんが、実際、余命3か月から半年と宣告されてからも、約10か月間、生きておられます。治る可能性だってほんの僅かではあってもあると思うのです。

 同教授のHPでは、毎日ではありませんが、教授の近況等が更新されていて、6月10日付の報告にはブッシュ大統領からの手紙が添付されていました。

-TA

※同教授は2008年7月25日、膵臓癌のため逝去されました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

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コメント

日本語の本もでるのですね。妻にも読ませてあげたいと思います。

投稿: mario | 2008/06/17 02:23

mario-sama,

 いつも良い本を紹介してくださり、ありがとうございます。

-TA

投稿: TA | 2008/06/17 02:41

こんにちは TAさん、ニューヨークに出張されていたんですね。
お疲れ様でした。 私の娘もハワイでの研修を満喫して、ちょっぴり
太って帰ってきました。

昨日の朝刊で、パウシュ教授が亡くなられたことを知り、同時に
TAさんの「最後の授業」の記事を思い出しました。You Tube
でNo.1だけ観ましたが、感動して胸がいっぱいになりました。
もうすぐ夏休みなので残りの動画とできれば本も読みたいと
思っています。

It is not length of life,but depth of life.
という言葉を思い出しました。

投稿: MOKO | 2008/07/29 12:20

Moko-san,

 コメント、ありがとうございます。NYとの時差は結構きつくて、何日か朝早く目覚めてしまったりしましたけど、今は普通に戻りました。
 お嬢さんも楽しい毎日を過ごされたとのこと、ご同慶の至りです。そうそう、ハワイの方には日本では考えられないような体格をした方が沢山います。私もbellyが順調に成長してしまっています。お嬢さんは「ちょっぴり」で良かったです。(笑)

>> 昨日の朝刊で、パウシュ教授が亡くなられたことを知り <<

 そうだったのですか。私はローカル紙しか購読していなくて、ニュースもろくに見ないので、新聞のどこかに小さく書いてあるかもしれないけど、知りませんでした。教えてくださり、ありがとうございます。故・パウシュ教授のご冥福をお祈り申し上げます。

>> It is not length of life,but depth of life.
>> という言葉を思い出しました。

 I couldn't agree more. 今日1日を無事に生きられることに感謝できる自分でありたいと思います。

-TA

投稿: TA | 2008/07/29 12:31

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