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小林繁さんを偲んで

 元巨人、そして阪神のエースとして活躍された、小林繁さんが心不全で亡くなられた、というニュースを今朝、知りました。巨人のエースとして活躍していた1978年(昭和53年)、いわゆる「空白の一日」「江川事件」で巨人から阪神にトレードされた“犠牲者”ですが、ご本人は「犠牲になったということはありません。あくまでも野球選手ですので。向こう(阪神)に行ってからの仕事で判断して欲しい。同情は買いたくないということですね」と、とても潔いコメントを残しました。

 そしてその言葉通り、翌シーズンは22勝をあげ、2度目の沢村賞を受賞します。ちなみに江川さんは1981年(昭和56年)、20勝をあげ、文句なしの成績を残すも、同事件の影響が尾を引き、一度も沢村賞を取ることができませんでした。小林さんは移籍をきっかけに、“鬼迫”のピッチ郡を続け、1983年(昭和58年)に31歳という若さで引退しました。そして江川さんも、現役生活は9年という短命な選手でした。

 その2人は「空白の1日」から28年間、一度も言葉を交わすことが無かったそうですが(2人が現役時代、一度だけレストランで出会ったが、そのときに江川さんが謝りに出向こうとしたところを小林さんが手で制止。言葉を交わすことはなかった)、2007年9月、黄桜のコマーシャルで共演。台本がないまま、そのときの心境を含め、66分間にわたってお互いの心情を吐露し合いました。

 今回の小林さんの逝去を偲ぶ番組では、コマーシャルでオンエアーされていない部分の対談が放送されていました。その中で、江川さんが「長い間、本当に大変申し訳ありませんでした」と謝罪したとき、「謝ることないじゃん。しんどかったやろうなあ。俺もしんどかったけどな。2人ともしんどかったんだよ」と最初に相手の立場を慮る、小林さんの懐の深さに感動しました。そして、2人は3つしか年が離れていないのですが、深々とお辞儀をし、両手で握手をし、緊張の面持ちで言葉を交わす江川さんの態度を見て、30年もの間、持ち続けてきた悔悟の思いを感じました。

 そして、『俺たちには何かあるたびに「空白の1日」が持ち出されて。。。でも逆に考えると、あの1日がなかったら、お互い大したその後の人生を送ってないかもしれないよ』と語る、小林さん。対談の中でも悔しい思いや、正直な思いを吐露されていましたが、それさえも肥やしにして、前を向いて生きていかれる生き方に、野球人としてだけではなく、感銘を受けた人も多いのだと思います。

 そして潔い人生を象徴するかのように、前日まで元気で働いておられて、霊界に旅立たれました。ご冥福をお祈り申し上げます。

 阿部 哲也

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コメント

 こんにちは。ご無沙汰しております。相変わらずお元気そうですね。ところで小林繁さんの事を書いておられ、僕もスポーツの人間模様にはとても興味があるのでコメントさせて頂きました。

 プロ野球界ではチームの問題と言うか巨人に誰が入って、誰が弾き出されるかという事が随分問題になりますね。江川氏と小林氏の他に清原氏と桑田氏の例もありますしね。
 でも僕にはちょっと分からない感覚です。と言うのはどこのチームに行っても自分の実力が発揮出来て生長出来ればいいという考えですから。生長の家の人はそういう人が多いのではないかと思います。

 ところで最近はハンカチ王子の斎藤投手と楽天に行った田中投手などがライバルですが、斎藤投手は田中投手と違って、大学に行きましたね。斎藤投手はプロには行くみたいですが、その後は政治家になりたいそうです。だから、大学に行ったのだと思います。僕は斎藤投手の考え方に賛成します。プロスポーツ選手は体力が衰えたら引退せざるを得ず、その後の人生の方が長いのですから、その後の人生を見据えた人生設計が必要だと思います。スポーツが上手いのは良いのですが、それだけでは片手落ちだと思います。
 ロシアのデメンティエワという女子プロテニス選手は両親がテニスだけでは駄目だ勉強もちゃんとやれと言う事で彼女はロシアの一流大学を出ているそうです。人間神の子無限力でスポーツも勉強も頑張るというのが良いと思います。

投稿: 堀 浩二 | 2010/02/05 14:07

堀 浩二 様

 こんにちは。コメント、ありがとうございました。
 堀さんのブログも時々拝見していますよ。信仰心がほとばしる、充実した内容を書いておられますね。また総裁先生のブログにも積極的にコメントをされていて、常に向上心を持っておられて感動していました。

 ところで堀さんは、野球選手はどこのチームでも実力を発揮できれば、というお考えなのですね。今、注目を集めているゴールデンルーキー雄星選手も、早大の斉藤選手も、公表しているコメントではそう考えているようですが、私はどうしてもこのチームでなければ(たとえ1チームではなく複数のチームであるにせよ)、という心理も理解ができる気がして、江川さんの行動には問題があったとしても、何となく憎めないのです。

 それから、私も野球も勉強もしっかりやる野球選手がいることは良いことだと思います。そして斉藤選手の人生の選択の仕方にも好感をもっています。が、個人的には、私は才能のある選手は高校を出てプロに入った方が、野球人としては充実できる気がします。パワーで押し切れる18歳から22歳を大学で過ごし、そこで頼りにされて肩を使いすぎたりするよりも、何でも吸収できる時期に、一流のプロの指導者の指導を受けて大きく伸びしてあげたいと思うのです。これはそれぞれ考えがあって良いことだと思いますが、例えば楽天の田中投手は、キャッチャー出身だったので、野村・前監督のアドバイスが水が砂に染みいるように入っていって才能を伸ばしたそうです。もし田中投手が大学に行っていて、野村さんに出会わなかったら彼の才能がこれほど開花できたかは疑問です。たとえ大学に行っていなくても、イチロー選手のようにものすごく頭のいい人もいますから、その人が何を考え、どういう生き方をするかが重要なのだと思います。桑田さんのように引退してから大学に通うのもあり、だと思います。

 堀さんがそういうことに関心がおありだったら、以前中日で活躍していた矢沢健一さんのブログをもしまだご存知でなかったらご覧になったら良いかもしれません。プロ野球界では数少ない知識人で、どこかの大学で修士を取っておられるはずです。そして、『残念ながら、野球界には時に「知識」あるいは「高」学歴を疎んじることもある』と憂いておられました。確かに「高学歴」を疎んではいけませんね。彼のブログはとても読み応えがあって私は好きです。ご参考まで。http://www.yazawa2005.jp/

 阿部 哲也 拝
 

投稿: TA | 2010/02/05 15:37

 何か、ハワイに住んでるから日本の球界の事は余り知らないだろうと思ったら、僕より全然詳しいですね。
 そうですか。勉強になります。大学に行く行かないという事で単純にくくられないと言う事ですね。

投稿: 堀 浩二 | 2010/02/05 22:23

堀さん、

 そんな詳しいことはありませんが、興味があることはネットで知ることが出来るので、有り難い時代だと思います。

 そうですね、私など、大学にあまり目的もなく通っていたので、その後に勉強したことの方が遙かに大きいです。でも、目的を持って、大学でしっかり勉強された方は、その後の人生にそれが大きく役立っているのだと思います。

 ところで堀さんは英語を勉強されているのですよね。一度、どこかの国際練成会にいらっしゃいませんか? ハワイで第49回の国際練成会が今月の19日から21日まであるので、今、講話の準備でヒーヒー言っております。

 阿部 哲也 拝

 

投稿: TA | 2010/02/06 02:44

>ところで堀さんは英語を勉強されているのですよね。一度、どこかの国際練成会にいらっしゃいませんか? ハワイで第49回の国際練成会が今月の19日から21日まであるので、今、講話の準備でヒーヒー言っております。

 英語、やってますよ。この一ヶ月は昇格試験の集中して余りやってませんでしたけど。国際練成会参加ですか。出来れば行きたいです。そういう機会があればですが。

 ところで英語で講話されるのですね。素晴らしいですね。阿部さんの講話は神奈川の青少年練成会で素晴らしい講話だったと伝え聞いています。それを英語で表現するのにもその素晴らしさがどれだけ外国の人に伝わるかそれは難しい問題なのでしょう。
 僕がそもそも英語を勉強するきっかけになったのは青年会の時に全国大会で雅宣先生が英語の勉強を青年に勧められていたからです。それで僕の人生の究極の目標は英語で生長の家を伝える、講話するという事です。それが生長の家の最終目的である信仰による世界平和の実現に貢献するという事になりますね。そういう思いで勉強してますが、未だに英検一級の一次試験を通りません。でも自分の中ではかなり、ヒアリングなども進歩して来たと思います。
 実は2007年の一月二月くらいの僕のブログは英語版もありますので一度ご高覧下さい。

 でも阿部さんは僕の究極の目的である英語で真理を講話するという事をされているのですから本当に素晴らしいですね。僕も阿部さんに少しでも追いつく様に頑張ります。

投稿: 堀 浩二 | 2010/02/07 10:57

堀さん、

 素晴らしいコメントを、有り難うございました。堀さんのように、長い間英語を勉強し続けている人は、とても稀少な、尊い存在だと思います。以前、ブログで日本語と英語と両方で書かれていたのは存じていますよ。頑張っておられるなぁと思って拝見していました。

 英語で講話をするときに難しいのは、日本語で話している内容をそのまま話しても通用しない、ということです。通じる話もありますが、受け入れられない場合もあり、たとえ理解はされても、それほど心に届かなかったり、ということも少なくありません。そのことを理解するまで、まず時間がかかりました。また、たとえ文法的に正しくても、英語では通常そうは言わない、ということも少なくないです。慣れないうちは、日本語の発想が抜けず(今も!)、またこちらで習慣的に使っている表現を知らないので、日常会話で話したことでも、何度も聞き返されたことがよくありました。

 あと、英語で講話するときに大切なのは、発音とリズムです。日常会話ならいざ知らず、人前で話をするとなると、こちらで話をする日本人講師は、最初は例外なく発音で苦労します。日本人に特有の癖もあるようです。ということは、逆に言うと、聞いている方も苦労が絶えないのです。最初の頃、まゆをひそめて、一所懸命に聞こうとしている人がいて(要するに聞き取りづらくて)、申し訳ない気持ちとショックが入り交じったのを思い出します。

 その他、苦労した(現在も進行形)ことはいくらでもありますが、あまり書いて堀さんの学習意欲を削いではいけませんのでこの辺で。。。(笑)でもだからこそ、言いたいことがしっかりと伝わったときの喜びは、何にも代え難いものがあります。

 どうぞ最終目的の実現のため、努力をお続けくださいね。そして、どこかの国際練成会にぜひ、いらしてください。きっと感動されることと思います。

 阿部 哲也 拝

投稿: TA | 2010/02/07 13:48

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