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「主体者」の自覚について

 私はipodにダウンロードした、アメリカのABC テレビのWORLD NEWS を見ることを日課にしています。この番組はipod用に無料で提供されていて、月曜日から金曜日の週5日間、1日20分ほどにコンパクトに世界のニュースがまとめられと思うので(主にアメリカの視点だと思いますが)、毎日見ています。たとえ同じ内容のニュースであっても、日本の番組とは視点が違うのが面白いです。

 ここ最近は、当然のことながらエジプトのタハリール広場を中心に繰り広げられたデモ、そしてムバラク大統領の辞任、その後の様子がレポートされていますが、大統領が辞任する少し前の日の番組で、あるエジプトの若者が、「これまではエジプト人であることが恥ずかしかった。エジプトのパスポートを持っているのは恥をかいているようなものだ。しかし、今は違う。エジプト人であることに誇りを持っている」というようなことを言っているが印象的でした。

 その同じ日に、トーマス・フリードマン(Thoms Friedman)という『The New York Times』のコラムニストが、同紙に書いていたコラムにも同じ事がでていました。それは、彼が取材したエジプト人は、「これまではエジプトは自国でありながら、借りてきた国のようだった。しかし今は違う。わが国になったのだ」というのです。

 フリードマン氏は、街角で手袋をはめて、大きなゴミ袋を持った若者に出会ったそうで、その若者たちは熱心にお掃除をしていました。それでその中の23歳の若者に「どうしてお掃除をするのか?」と聞いたのです。すると、「ここは私の地球だ。私の国だ。私の家だ。ムバラクが出て行くから私はここをきれいにするのだ」。

 フリードマンさんはよく、「レンタカーを掃除する人はいない」というたとえを使うそうですが、それと同じように“借りものの国”を掃除する人はいない、と言います。そして20世紀までのアラブ諸国は、王や独裁者、植民地の支配者によって支配されていた、借り物の国だった。しかし、主権を取り戻したことで、わが国になった、その意識が、国に対する愛を生み、国をよくしよう、という気持ちになるのだ、ということを述べています。

 私はこれを読んで、何事をするのにも自分がしているという、「主体者の自覚」を持つことが大切だと思いました。させられていると思うと意欲が湧かず、実力も出てきませんが、同じするにしても「自らがやっている」と思えば楽しく、結果を出すことができるのですから。

 しかし現実には、エジプトの政治はそう簡単にはいきそうもありません。今後、良い方向に民主主義が根付くよう祈っています。

 ちなみに、フリードマンさんのコラムの原文は下記のアドレスにあります:

 http://www.nytimes.com/2011/02/11/opinion/11friedman.html

 阿部 哲也

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