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しぞーかおでん

 お味噌汁、お雑煮、カレー、日本のどのお宅でも食卓にのぼるこれらのメニューは、地方によって味付けがずいぶん違うものですが、おでんもその一つです。おでんに関しては私が生まれ、育った静岡ではとりわけ、独特の味付けと文化があるようで、最近そのことを知りました。「静岡おでんの会」(http://oden.cocolog-shizuoka.com/)なるものがあり、全国に「静岡おでん」をPRしているようです。先日、自宅があるさいたま市浦和区のあるスーパーで、静岡の物産展をやっていて、「静岡おでん」が売られていたので、久しぶりに「―おでん」を食べたところ、ノスタルジーに火が付いて、色々調べてみたくなりました。ちなみに、静岡のことを静岡の人は「しぞーか」と呼んでいます。そう言えば、静岡を18歳で静岡を離れるまでは私もそう呼んでいました。。。

 静岡(しぞーか)おでんの特色の一つは、黒はんぺんを入れるところです。黒はんぺんとは、つみれを半月状に平たくしたようなものですが(写真と説明はこちら)、静岡の人はそれを「はんぺん」と言います。妹が言っていましたが、コンビニのおでんの中に「白はんぺん」が入っているのを見てびっくりしたそうです。この黒はんぺんは特にものすごく美味しいものではないのですが、静岡以外ではなかなかお目にかかれないので、ないと欲しく、懐かしくなるからか、静岡の人たちが同窓会を関東など、静岡から離れた土地で行うときには、この黒はんぺんをクール宅急便で静岡から送ってもらって、郷土の味に舌鼓を打つ、というのが定番のようです。高校の母校の同窓会報にも、「黒はんぺん」の話題は必ずと言って良いほど入っています。。。

 さて、静岡おでんのもう一つの特色は、駄菓子屋におでんがある、ということです。先ほどの「静岡おでんの会」のウェブサイトによると、静岡おでんには、「居酒屋系」と「駄菓子屋系」があるのだとか。静岡人としては、駄菓子屋におでんがあるのは当り前で、夏休みのお楽しみの定番としては、プールに行って、帰りに駄菓子屋に寄っておでんとかき氷を食べる、というものでした。でもそれは、静岡だけの習慣だということに気づいたのはつい最近です。

 それで、私が住んでいた家と母校の高校の割合近くにある、「おおやきいも」というとてもレトロなおでん屋さん(一番下に写真があります)があるのです。そこは何でも、改装しようとしたら常連客から「昔のままがいい」と反対があって改装できなかったと言われているのだそうで、私もずっと行きたかったのですがなかなか機会がなくて行けなかったお店でしたが、先日、祖父の四十九日で帰省した際、ようやくそのお店にいくことができました。妹たちが、お昼時は行列ができるから11時ぐらいに行った方が良い、というので、11時にそこにいた家族9人で行きました。真夏日の暑い日ですが、クーラーはありません。それでも、私たちがおでんを食べ、かき氷を食べている間、ひっきりなしにお客さんが訪れてきました。

 そのことを生長の家が運営している、喜びを投稿するサイトであるポスティングジョイ(英語版)に書き込んだところ、ロサンゼルスに住んでいる、アメリカの生長の家の幹部で、日本語と日本の文化にとても通暁しているアメリカ人女性から、「駄菓子屋におでんですか? 駄菓子屋は子供が行くところですよね? 子供がおでんを喜んで食べるのですか?」という内容の質問が来ました。私は小さい頃から、駄菓子屋でおでんを食べていたので何の違和感もないのですが、確かに駄菓子屋で子供がおでんを食べるのは一般的ではないと思います。下記はそのときのやりとりです。日本の方もコメントを下さっています:

 http://eng.postingjoy.com/users/67101005104656/diary/show/61420

 そのほか、静岡おでんは出汁の色(もちろん味も)、そして、青のりとかつおを削った粉をかけて頂くのもとても特徴があります。

 これまで、自分がこれまで当り前だと思っていたことも、他の人にとっては当り前ではないことがあるということを何度も経験してきましたが、おでんについては最近まで、全く意識していませんでした。意識しないときには、特に食べたいとは思わないのですが、意識し始めるととたんに食べたくなるのが不思議です。

 私は18歳のときに静岡を離れ、名古屋市に5年間住みました。そこで、実家のある静岡とはずいぶん別の暮らしがあることを学び、そしてその後東京に出て、また、さらに別の暮らしを体験しました。結婚して今年で14年経ちましたが、結婚当初は、家によってこうも考え方が違うのか、ということに驚くことがよくありました。そして、2007年から2010年まで日本を離れ、ハワイで暮らしてみて、自分がこれまでどういうことを習慣としていて、今、何に戸惑っているのだろうかということを考えることが多く、自分とは一体何者なのかとか、自分はこういう環境で育ってきたから、このように考えるという説明をする機会が多くありました。

 少しおおげさかもしれませんが、自分がこれまで生まれ、育ってきた場所の特徴的なことを知り、それを人々に説明することは、相互の理解を深め合うきっかけになると、私は思います。今はインターネットで世界の人々の暮らしやものの考え方が瞬時に分かる時代です。そのような時代においては、相手のものの考え方をよく理解し、自分の生き方や考え方もしっかりと説明する能力はますます必要になってくるのだと思います。

 阿部 哲也

※「おおやきいも」さんの写真はこちらから http://twitpic.com/5oygt3

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コメント

懐かしいお店です。私は、1945年生まれせすが、その「おおやきいも」は、当時私の同級生のお母さんが、経営してました。その後同級生が、やっておられましたが、数年前に亡くなりましたが、今も大繁盛してるにのは、スゴイと思います。私の、小さい頃は、おでんと、ところてん、夏はかき氷のお店が、結構ありました。当時は子供にとって憩いの場所でした。

投稿: ラッキー | 2011/07/17 15:56

ラッキーさん、

 コメント、有り難うございました。

 小さい頃の夏はおでんを食べてミカン水を飲んだのを覚えていますが、他の地域に住んでいる人は「夏に子供がおでんを食べるの?」と疑問に思うようです。離れて見ると、そう思うのはもっともだと思うのですが、その当時は全然疑問に思いませんでした。習慣の力ですね。


投稿: 阿部 哲也 | 2011/07/17 16:31

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